千変万化の剣

敵国


「前線部隊長

ネネ

ただいま帰還しました。」


そこには王女と王がいた。


「この度は失態を犯し、」

「いえ、構いません。

疲れたでしょ？

しばらく休息を、」

王がネネを労おうとした時、


「勝手に兵を動かさぬように願いますよ。

王様。」

男が現れる。


「シバイ参謀。」

「兵を動かすことに関しては全て私に任せる約束です。

私の指示に従ってもらいます。」


「しかし、我々が亜人種を狙う必要があるとは思えない。」


「それが奴らの手です。

こちらが丸腰で近づけば簡単に仕留められます。


見た目は人間でも所詮は獣。

皆殺しにするべきです。」



「…。

軍事は全てシバイ参謀の好きにせよ。」

「はい。


まぁ、ネネ殿には休息を与えましょう。

次は失態の無いように。」


「貴様は何を考えている？」

「何を、とは？」


「この狸め。」

「なんのことやら。

では。」




「ネネ様。

御召し物の洗濯を。」

召し使いがネネの服を洗おうとする。

「ああ、頼む。

…いや、これは私が洗う。

洗い方を教えてくれ。」


「はぁ。

よろしいですが何か特別な御召し物ですか？」

「いや、ただの上着だ。

まぁ、借りを返すようなモノだ。」