恋の法則
半分やつ当たりをしていた私に、



藤沢は微かに笑って続けた。




「『進む先に光はあっても闇はない。

そして

朝陽は希望の光。
朝陽は始まり。

必ず夜は明ける』」





「だろ?」と言って、



また藤沢は眼鏡の奥の瞳を細めて笑った。









何かが、揺れ動いた。







あ、そっか。









分かるかも。








女子が藤沢に興味持つ訳…。








教室では無表情で怖い感じの藤沢だけど、




こうやって、フとした瞬間に優しく笑うんだ…。







変なの。







私の心臓ドキドキしてる。







公太郎と付き合い始めた時に、


毎日感じていた気持ちに似てる。







ちょうど





朝陽を希望の光に




例えるみたいにさ。


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