恋の法則

窓際

学校に行く前、私は何度も鞄の中のあのノートをチェックした。



ページをめくっては、右隅に書かれた文字をなぞった。



小さな言葉に励まされながら、学校へと続く道を歩いたんだ。



次第に学校の姿が見えてくると心臓がうるさく暴れた。





女の子と連れだって帰って行った公太郎



私の肩を掴んだ藤沢



私を「好きだ」と言ってくれた藤沢




昨日の出来事ばかりが鮮明に蘇った。




教室の前に足を運ぶと、騒がしい話声ばかりが耳を刺激した。


でも一向に私の足は動かない。



私は深い深呼吸をする。



大丈夫、と何度も唱えた。




ふいに私の肩の上に手を乗せられた。



跳ね上がった心臓と同じように、冷や汗がにじんだ。



もしかして…と、淡い期待が生まれる。



よく教室の前で鉢合わせにすると、アイツは肩を叩いた。




私はゆっくりと後ろを振り返った。



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