人の手相をいじって何が面白いねん。
第十六線
占いの館を出ると


完全に日が暮れていた。






ずっと黙っていたカッパが



話しかけてきた。



「早速、


 作戦を立てなくてはいけませんね」



「そうね。


 ところで、


 里子さんのチップはどうだったの」




と、早紀は聞いた。



「明美さんと同じタイプです。


 ただし、



 首の頸骨の近くにあるので、



 取り出すには手術しかないでしょう。



 簡易装置では、



 間違えば半身不随になってしまいます」





「それじゃあ。



 取り出すのは無理なんだ」






 明美がため息をついた。





「里子さんには

 車があるから



 色々協力して欲しいことがあります」




と、カッパが言った。




早紀は


帰る途中で明美と別れた。
< 145 / 178 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop