LOVE❤MISSION♂禁断のラブゲーム♀



時間が、そして空気全体が止まったように思えた。


一気に私の体が絶望感に覆い尽くされた瞬間。




さっきまで私に笑顔を向けていてくれた如月さんが


私の名前を呼んでくれていた如月さんが


私の名前を知っていてくれた如月さんが




私の好きな人と———。




視界が眩んできた。


体を支えるのが、大分辛くなってきてくる。




両手に必死に力を込め、体を支えるながら、おぼつかない足取りで人ごみを抜けた。






「驚いたかしら?———如月、さん」


今、一番聞きたくない声が頭上から降ってきた。




嫌っ...前を....見たくない!!




「ねぇ...そんな怯えてないでさ、前・・・向きなよ?」


その言葉と同時に私の視界が一気に変わる。顎を思い切り掴まれた。




綺麗な金髪、大きな目、小さな顔、華奢な体


今...一番見たくない相手




「・・・き..如月...さ..ん。・・・なん・・・で?」



何で、騎士といるの?


何で、私と「友達になろう」なんて言ったの?


何で・・・あなたはそんなに綺麗な笑顔を私に向けるの———?




「何でって何が?——人間に、平等なんて無いの。勝つか負けるか、たったそれだけよ?
何の変哲もない生き方してたら―――負けるわよ?今のあなたのように」


くくっと勝ち誇った様な笑みを浮かべる。











< 154 / 207 >

この作品をシェア

pagetop