お見合いダーリン!



カァーカァー烏の鳴き声が聞こえる。


もう、ドラマみたいな雰囲気。


沈む夕日をバックに歩く二人と揃えば、これは完全にドラマのワンシーン!


それが恋愛ドラマだったら二つの影が徐々に徐々にと寄り添い。


そして、二人の唇はどんどん近付き最後には――…





「確か此処でしたよね?」

「へっ」

「鈴美さんの家は」





家に着いていたんだ…


全然、気付かなかった。





「日曜日に迎えに来ます」

「お願いします」

「詳しい事はメールします。それじゃあ、また」





羽須美さんに手を振ると軽く笑ってから歩きだした。


私はよく分からないけど羽須美さんの背中が見えなくなるまで、ずーっと見て外で立っていた。






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