センチメンタル・ギター
いつものようにMP3でロックを聞きながら

ポカンと授業を受けている

春に買った新しいノートは

未だ新しいままだ


バンドのメンバーを考えてる途中

重大な問題に気がつく


―…誰が弾けるか知らないっ…!―


誰でもいいから誘ってみるのも手だが

それじゃ今年のライブまでに間に合わない



考え事をする時に僕は口をあける

あと少しでよだれが落ちるってところで

チクチクと背中にシャーペンが刺さる

『鼎っ』

シャーペンで刺してきた人は

丈さんと言う、長身のスラっとした

僕とは正反対な人


いつもちょっかいを出してくる丈さんだが

大好きな友達の一人だ


実際何度も相談に乗ってもらったし

泣き顔を見せたことだってあった


よだれが垂れないように口を閉じ

丈さんのほうを向く


丈さんはニコっと笑ってから

再びシャーペンの芯で攻撃してきた


これが僕の日常
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