ずっとあなたが好きでした
「香…。ありがとう。」

「俊也、遅くなっちゃったけど、これ、誕生日プレゼント。」

「良いのに…。俺、あげてねーし。」

「要らない?」

「貰う。貰うよ。ありがとう。」

「こんなに遅くなっちゃったね。ごめんね。ダメだね、私…。本当は一番に俊也におめでとうって言いたかった…。」

「良いよ、そんな事!気にすんなよ!中身、何?見て良い?」

「良いよ。」

「これ、香が編んだの?」

「そう。初めて編んだ。もっと上手く編めたら良かったんだけど…。」

「…。」

俊也は私が編んだマフラーをずっと嬉しそうに見ていた。

「俊也?」

「香、ありがとう!すげぇ嬉しい!冬の間毎日するよ。」

「本当?良かったー!」

「香、最近、眠たそうにしてたの、コレ編んでたから?」

「まぁ、そうかな。そんなに眠たそうにしてた私?」

「いや、何か疲れてたから…。ありがとうな!」

「うん。良いよー」

俊也はようやく笑顔になった。

私の大好きな俊也だった。

喜んでくれたなら、もっと早くあげたかったな…。

こんなに喜んでくれるなんて思わなかった。

「こんな事で喜んでくれるなら、何でもするよ?」

「え?」

俊也は顔が真っ赤になっていた。

「今、私声に出してた?」

「…。うん。」

急に恥ずかしくなって、私は黙り込んでしまった。

「香、俺の事好き?」

「…。」

「俺も時々不安なんだ。俺が付き合わせてるだけで、香はそんなに俺の事好きじゃねーんじゃないかって。」

「そんな事…。」

「そんな事何?」

「…。ないよ。」

俊也はまた悲しそうな顔をしていた。

「ごめんね。私、俊也の笑った顔が大好きなのに…。俊也にそんな辛そうな顔ばっかりさせてるね。私、強くなるから…強くなる。俊也の事、私、私、大好きだよ。」

「良かった。安心した。」

「もう泣かないで。俊也、本当にごめんね。傷つけてばかりいて…。」

「俺はそんなに傷ついてねーから、大丈夫だよ。香は?」

何でこの人はこんなに優しいの?

俊也の傍にずっといたいよ…。

「俊也?」

「何?」

「お願いだから、私を、私を一人にしないで。私に愛想をつかさないで。私、俊也に見捨てられたら、生きてる意味がないよ。」

「どうしたんだよ?香らしくないな。」

俊也はびっくりしていた。
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