きみに伝えた気持ちは(短編)
「遼、笑いすぎ! で、どうしたの、遼? 部活じゃないの?」


 強引に話題を変える私。

 涼は、エナメルバッグを自転車のかごにいれて、服はスポーツウェアだ。いかにも、部活に行きますって格好だ。

 なのに、なんで、ここにいるの?   

 サッカー大好き、ゆえに部活も大好きの、遼が。



「部活だけど。そのまえに、今日、何の日?」

「?」

「朝、おまえの家にいったら、もうでかけたっていうから、探したわけ。やっぱり、今回は直接渡そうかなとおもって」

「?」

「おまえ、今年はいつもと違うのくれただろ。だから、おれもきちんと返そうと思って」

「あ」


 やっと、気がついた。

 今日は三月十四日・・・ホワイトデーだった。

 すっかり忘れてた。

 
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