隣のお兄ちゃん
「そうだねぇ。いないことはないけど…ちょっと無理そうなんだ」
「無理そう?」
「うん…多分、無理だと思う。だって、その人には彼女がいるから」
「彼女、か……」
裕くんはそのまま黙りこくった。
そんな困った顔しないでほしい。
小さな頃からあたしのことをよく知ってる裕くんだから、可哀想とか同情してるのかも。
裕くんって、どんなときだって優しいから。
でも、今はそんな顔しないでほしい。
あたしも胸が苦しいよ。