隣のお兄ちゃん
あたしたち1年生の教室は二階。
3年生の教室のある四階までの階段を上っていくにつれ、緊張感が増していく。
四階の踊り場のところで、男子が数人戯れていた。
よく見ると、裕くんたち仲良しメンバーだ。
こっそり様子を窺っていると、裕くんと目が合った。
ドキッ。
「ちょっと、いい?」
「んっ?どうした?」
いつもと変わらない、優しい裕くん。
この顔を見られるだけで、幸せな気分♪
――…っと、そんな場合じゃなくて。
「ごめん。勇太先輩を呼んでほしいの」裕くんにお願いした。