HONEY*ときどき*BOY


ダメすぎるっ!



ここまでくると自分が情けなくて仕方がない。



それに心なしか、最初よりもフェンスの外に集まってる人が減ってる気がする。


部長がポイントを決める度に響いてた声援も、今は聞こえない。



やっぱ、こんな試合じゃ面白くないよな……――――



その次のポイントもあっさり取られたオレは、ますます絶望的な気分になりながらサイドを移動した。



移動の時は、絶対にフェンスの方を見なきゃいけないから嫌だ。



だって、顔を上げたら羽月ちゃんが……――――



「しっかりしなさいよ!秀!」


「え……?」



からっとした空気の中に響いた声に、思わず顔を上げる。



両手でフェンスをがっちりつかんだ羽月ちゃんの顔は……ものすごく怖い!



たぶん、人が減ったから前に出てこれたんだと思うんだけど……



羽月ちゃんの声にびっくりしたのか、部員も一斉にそっちを見る。



「何があったか知らないけど、今は試合に集中しないとダメでしょ!」


「そ、そんなこと言われても……!」


「うるさいっ!」
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