白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
「本当にごめんなさい。あの時は」
「でも、そのおかげで、中田とたっくんが出会えた。だから、あの時間も無駄じゃなかった。直がたっくんを好きになろうとしたことも、間違いじゃないんだよ」
不思議だね。
人と人の出会いって。
ほんの少し、どこかで何かが違えば、今とは違う“今”になってるんだ。
「それにしても、直と中田と里田って複雑な関係だよな。普通なら友情壊れてもおかしくないぞ。元彼だらけ」
私の元彼がたっくんで、ゆかりの元彼が龍。
で、依子も高校時代、先生に恋をしていた。
「そうだね。特に、ゆかりと依子はよくここまで仲良くなれたよね」
「たっくんがいなかったら、無理だっただろうな。中田が完全に龍のこと吹っ切れたから、里田と友達になれたんじゃない?それにしても、不思議な関係だな」
ゆかりは龍のことが好きだった。
それなのに、私と先生を守る為に、依子に龍を紹介したんだ。
「体育教官室で、泣いてたよな・・・・・・中田」
「うん。泣いてた」
忘れることはない。
ゆかりの友情。
いっぱい、いっぱい・・・・・・助けられた。
友達がいなければ、絶対に先生との今はない。
「中田は直のこと好きだからな。直と中田の友情はすごいと思う」
「うん。私も!!」
「中田とたっくんが無事に結婚して幸せになってくれると、俺も安心なんだけどな。中田には絶対に幸せになってもらわなきゃな」
たくさんの涙を見てきたから・・・・・・
結婚式は、私も泣いちゃうよ。