白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
「あれから、どうなったのかな?」
「それが・・・・・・告白してきた子は、もう同級生と付き合ったらしいんだ」
「ええええーーー、そんなのひどい」
「でも、そんなもんなんだって。直は特別だったんだよ。俺のことを好きだって言ってた生徒だって、気付けばもう他に彼氏がいる。だから・・・・・・直の気持ちも最初は不安だったんだよ」
繋いだ手をもう一度握り直し、その手を先生の頬に当てた。
「私は・・・・・・他の人なんて目に入らなかったよ」
「あれ?過去形??」
先生に突っ込まれて、笑いながら謝った。
その瞬間、頭に浮かんだのは豪太の笑顔だった。
「これからもずっとだよ!!」
慌ててそう言った私の顔を覗き込む。
「怪しいなぁ。心の中は誰にも見えないからな」
心の中は誰にも見えない。
そうなんだ。
本当に。
先生の心の中も・・・・・・見ることはできない。
先生の眼差しや、言葉や、ぬくもりから、ささいな変化をしっかりと見つけないと・・・・・・