涙を知った後。



いそいで駆け付けた風呂場のドアをあけると
俺は目を見開いた。



床には無数の血が垂れていたから。




そして広い風呂場の隅っこで
震えている小さな小さな
やせ細った蘭をみつけた。


手にはカミソリ

腕や手は真っ赤














「れ………ん…ッ?」

















震えてる血だらけの蘭は
俺に気付くと名前を呼んで
沢山の大粒の涙をながしながら
















































静かに微笑み、倒れた−…
























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