そんな君が愛しい
「……っ」
分かっていた。
その答えがくるのなんて
想像できたのに、
期待せずに
いられなかった。
そして
俺と羅南だけが
廊下に取り残された。
沈黙が続くなか
それを破ったのは羅南だった。
「高杉 爽、だよね?」
「うん、そうだけど」
「あたしは月村 羅南。
沙葉の親友ね♪」
そう言って月村は
幼く笑った。
月村は沙葉と違って
可愛いというより
キレイな雰囲気だ。
でも笑うと
幼い子供みたいに
可愛くみえた。