そんな君が愛しい
やっぱり
まだ常葉は気づかない。
だから
俺は少しだけ
常葉の背中を押すよ……。
ちょっとした、
君への報いのつもり。
「支えてくれる奴が
いるからだろ?きっと
俺以外に大切な奴がいるから
悲しみが軽いんだよ」
そう言って
ニカッと笑ってみせた。
「い、一ノ瀬くん!!!
それって、どういう――――」
「さぁ?
自分で考えなっ♪」
常葉の言葉を遮って
そう言ったあと、
俺は屋上を後にした。