本気だからねっ!
「杏乃ちゃんがいいならいいけど。いきなり杏乃ちゃんって呼ぶなんて、なんかあったんですか?」


「べっつにー。ねぇ、杏乃ちゃん?」


そう言ってまたもや妖しく微笑む先輩。


あたしは「あははー……」って若干顔をひきつらせながら笑った。


「なに?なんかあったのー?」


いつの間にか来ていた梨紗先輩にまで突っ込まれる。


………なんか最近、おちょくられている気がする。


「別に?なんもねぇけど?ねぇ、杏乃ちゃん?」


そんな、意味ありげな感じで言っても説得力ありませんからーっ!!


「なにそれー!!絶対なんかあったでしょ!!ねぇ、杏ちゃん教えて!!」


あ、梨紗先輩はあたしのこと杏ちゃんって呼ぶんだよね。あたしも気に入ってる呼び名なんだ。


「えーっと、そのー………」


必死で他の話題を探すけど思い付かない。


「あ、仕事しなきゃいけないのでー!!」


あたしはそう言って、なんとか話題を振り切った。










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