本気だからねっ!
あたしが返事をすると、お母さんは何も言わずに部屋から出ていった。


「はぁ………」


誰もいない部屋に溜め息をこぼす。


「どうすればいいんだろ………」


自分の気持ちに素直になるなら、当然だけど千歳君は振ってる。瑞模君を好きなままで付き合うなんて失礼過ぎるもん。


だけど、智佳の言葉にあたしの心は揺さぶられていた。


「付き合ってみて変わること………」


あたしが千歳君と付き合ってみたら、あたしは瑞模君を忘れられるのかな………?


正直、もう楽しい恋がしたかった。


こんなに辛くて悲しくて振り回される様な恋がしたかった訳じゃない。


「あたしって、軽いのかなぁ………?」


あれだけ瑞模君が好きだったのに、智佳に言われただけでこんなに簡単に揺さぶられるって結構軽いよね。


あたしは瑞模君を忘れたいんじゃない。ただ、楽しい恋愛がしたいだけ。










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