それはまるで粉雪のように
「ちなみに私はそのテスト、もう受けたんだが……」

平林はニヤニヤしながら言っている。

「何点だった?」

健二が聞く。

「20点満点中、もちろん20点だ」

「聞くまでもなく、平林なら当然……」

「うおっ!?すごいな!!」

「…………」

点数に驚く谷口に、真実を知る健二は飽きれる。

「今回の小テストのポイントはだな……」

「ふむふむ……」

谷口は平林の言う、ポイントやらを必死でメモしている。が、

キーンコーンカーンコーン

「さ~化学始めるで~」

谷口が平林の言うポイントを書く暇も無く、米原が教室へ入って来た。

「谷口、時間切れだ。」

「……終わった……」

谷口が絶望の窮地に立たされている中、健二はいつの間にか消えた平林が残して行ったメモ書きに気付いた。

「……直接口で言えっての……」

健二は文句を言いつつ、そのメモ書きをポケットにしまい込んだ。
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