それはまるで粉雪のように

―職員室―


―職員室―

何でもない用事だった。ただ化学の課題ノートを取りに職員室を訪れただけだった。
ノートだけではない。友人の『風紀委員募集』チラシ、その件も済ませる必要があった。

そのことを先生に伝え、職員室を出ようと扉に手をかけようとしたその時、扉が開き1人の男子生徒と出会ったのだ。

「失礼します……っと」

向こうの男子生徒が言った。私が扉の前に立っていたので、彼は少し驚いていた。それが面白かったので、私は少しほくそ笑んでしまった。

「あ、すいません……」

向こうの男子生徒は私を避けて職員室に入っていった。

「……彼って……」

私が考えている人ではないかもしれない。けど、声をかけてみようと思った。

それが、私の第一歩だと感じたから……

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