パラレルライン



「大原?」

「龍太郎の馬鹿アホ!もう話しかけんなクソッタレガ!!!」

「は!?」


あたしは龍太郎にそう言い放つと、その場から走り去った。

なんでかわからないけど、体が自然に動いていた。



龍太郎に幸せになってほしい。

そう思って始めた協力だったけど

ふたりの距離が近づいていくうちに

今まで見たことなかった龍太郎を知るうちに

前までふざけ合って笑っていた時間が減るうちに


龍太郎の幸せがあたしの幸せになるのかが疑問に思えてきて

協力するって言ったのに、あんまり喜びを分かち合えなくて


何も悪くない龍太郎のことがムカついて

自分のこともムカついて…



こんなにモヤモヤするなら、協力なんかするんじゃなかった。

龍太郎とは、普通の友達のままでいたいのになあ……





< 63 / 102 >

この作品をシェア

pagetop