パラレルライン
「大原?」
「龍太郎の馬鹿アホ!もう話しかけんなクソッタレガ!!!」
「は!?」
あたしは龍太郎にそう言い放つと、その場から走り去った。
なんでかわからないけど、体が自然に動いていた。
龍太郎に幸せになってほしい。
そう思って始めた協力だったけど
ふたりの距離が近づいていくうちに
今まで見たことなかった龍太郎を知るうちに
前までふざけ合って笑っていた時間が減るうちに
龍太郎の幸せがあたしの幸せになるのかが疑問に思えてきて
協力するって言ったのに、あんまり喜びを分かち合えなくて
何も悪くない龍太郎のことがムカついて
自分のこともムカついて…
こんなにモヤモヤするなら、協力なんかするんじゃなかった。
龍太郎とは、普通の友達のままでいたいのになあ……