極上甘々彼氏様

「どこ行くの?」

「便所」

「ちょっとぉー陸ってば下品」


陸はダルそうに屋上を出た。

えっ……佐々木さんと2人きりだし…。

な、なんか気まずいよ。

少し、沈黙が続いた。


「牧野さんてさ、本当に陸の彼女?」


沈黙を破ったのは佐々木さんだった。


「い…一応、そうだと思う」

「なにそれ。意味わかんない」


なんか、さっきより怖いんだけど。

さっきまであんなに声高かったのに。


「遠回しに言うの、あたし嫌いなの」

「…そう、ですか」

「だからハッキリ言うけど、




あたし、陸の元カノ」




思ってもなかった言葉。

てっきり、"別れて"とか言われるのかと…


「でも、あたしはまだ陸のこと好きなの」


何が言いたいんだろう…

ハッキリ言ってるのに、分からない。


「あのさ、聞いてんの?」

「え!?あ、うん!聞いてるよ」

「……あんたみたいな奴、大嫌い!!」


えぇー!?

あたし、さっそく嫌われた!?

< 13 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop