ゆめ
ゆめは、自分だってべそかきながらそう言った。
「……呼ばないで」
「…?」
「…ママ、ママって呼ばないでよ!私はあんたのママじゃないのよ!」
「亜紗子っ!」
「だって…!」
「…ゆめ!」
気がつくと、ゆめは遠くに、小さな体で走っていく後ろ姿…
健太はゆめを追いかけていった。
そこまでは覚えている…
気がつくと私は、ひとり家にいた。
私は…どうやって帰ってきたか、全くわからなかった。
ーーガチャッ…
健太が帰ってきた。
ゆめも一緒に…
「…ゆめは?」
「途中で見失って…ずっと捜してたんだけど…」
ゆめは…一緒じゃなかった。
「私が…私がひどいこと言ったからだ…、ゆめ…!」
今更私は責任を感じ、ゆめを捜そうと駆け出した。
健太が私の腕を掴んでとめた。