ナルシー少年☆蛍斗くん
喧嘩の達人
家に帰ると直行で部屋に入り、ベットにゴロンとなった。
吐き気は収まったが今度はお腹いっぱいで、眠くなってきていたのだ。
すぐに夢の世界に引きずりこまれた。
トン、トン、トン
トン、トン、トン
「おい。開けろよ!!」
せっかくいい気持ちで寝てたのに目が覚めてしまった。
もう夜の7時だ。
家族はみんな帰ってきただろう。
また奴か・・・。
何しに来たんだろ。
「お〜い。無視すんな!!・・・・・・。あッ、携帯タヌキの部屋に忘れてたんだよ。返せ。」
奴の言い方にまたもやイラッときたが、五月蝿いので返すことにする。
携帯は机の上に置いてある。
私はそれを取り、扉の隙間から用心深く出した。
中に入れるつもりはない。
だが奴は一向に携帯を取ろうとしなかった。
それどころか扉を力いっぱい押してくる。
「とりあえず入らせろー」
「はっ?何で―――っ‼」
「何ででも!」
「嫌だぁ〜」
「入れろぉ〜!!」
凄まじい勢いで押すものだから私の体は少ーしずつ後退していく。
「いっやぁ〜!!」
そして奴はとうとう全体重を扉にかけて開け放った。
「うりゃあぁ―――っ‼」
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