ナルシー少年☆蛍斗くん


”見守る”

友達としてずっとそうすると決めた矢先だった。

矢恵の”アイツの事が好き”だという、その強い瞳に俺の理性はいとも簡単に吹っ飛んだ。




何もかもめちゃくちゃにしたい。
アイツなんてどうでもよくなるくらいに。

だけどそれ以上に矢恵には優しくしたくて、気づけば矢恵にキスしてた。


彼氏がいるからそんなことしたら矢恵が傷つく。
理性が吹っ飛んでなお、頭の片隅で分かっていた。
今だけは俺を見て感じてほしい。
いや、俺の事を一時も忘れられなくしてやりたい。
そんな感情だけで突っ走ったのがこの結果なのかもしれない。

自爆だ。
触れるだけの切ないキスに胸が張り裂けそうだった。
矢恵の方から応えることない一方的なやり方は俺自身も深く傷つける。

矢恵の拒絶の声を聴いたとき、我に返り、後悔した。



苦しくてたまらない。
もう、矢恵とは一緒にいられない。

一緒にいたら、また、傷つけてしまう。


俺はアイツに負けた。




もう、友達にも戻れない。



馬鹿な俺に相応しい




最悪な終わり方だった。





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