【短編集】闇に潜む影
「あのさ、・・・聞いてもらって良いかな」
おそるおそる、彼の顔を覗き込んだ。
「うん」
ゆっくり頷いた彼の顔に、ウソはなかった。
なぜ、そう確信できたのか、自分でもわからないけど。
「・・・変な話しをするかもしれないけど、それでも良いの?」
もう一度、私は念を押した。
「もちろん」
私は、できるだけたくさんの空気を吸い込んだ。
そして、吸い込んだ空気を吐き出すと同時に、
堰を切ったように、言いたくても言えなかった言葉を口にした。