さもありなん

20円チョコレート


天気予報では、午後から雨だと言っていた。

10時に駅の本屋で待ち合わせに自分が着いたのは15分後。

彼女は自分が何に似合うのかをよく知っているのだと思う。

赤っぽい花柄の七分袖のワンピースを着た彼女は、
その場にいた誰よりも背筋がぴんとして見えた。

「…お待たせしました」

「遅い、何か奢ってね」

「…物によります」

「20円チョコ、コンビニのレジの横に置いてあるやつ」


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