☆でぃくちょなりぃ☆
寂びたギターって何?
寂びたギター。


静かな夜から五月雨がこぼれ落ちては、傘に当たる雨音だけが響いては消えてく。


街灯も当たらないゴミ置場の片隅で、五月雨に濡れるキミがいた。


五月の風がボロボロになったキミに当たるたび、キミは悲しげな音色を奏でてた。


キミは泣いているのかな?


キミは寂しいのかな?


ひとりぼっちで寂しく震えては、傷だらけのキミの頬に雨の涙が伝っていた。


拭っても…拭っても…こぼれ落ちるキミの涙が、夜をセツナイロに染めてく。


持ち主と一緒に見てた夢…


持ち主と一緒に追いかけた夢…


ボロボロになるまでキミは夢に向かって歩いたんだね。


大きなステージの光りを夢見たキミは…


今は街灯の光りすらも当たらない場所にいる。


明日になれば、キミはこの場所からもいなくなるかも知れない。


キミがいなくなっても、キミが奏でた音色は忘れないでいるよ。


キミ奏でた音色は…キミだけのメロディーだから。


そこにはキミだけの生き様があるから。


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