この世界は残酷なほど美しい
「ありがとう」と言葉を言うのに凄く勇気を使う。
でもちゃんと言わなくちゃいけない言葉なんだ。
思ったときに素直に伝えられる、そんな人間に僕はなりたい。
じいちゃん、ばあちゃん。
ちっぽけな僕を支えてくれてありがとう。
『はい、何だよ』
「あのさ、蓮」
『何だ?金貸してくれとか?それか女紹介しろとか?』
バカ。
そんなわけねぇだろ。
「僕と友達になってくれてありがとう」
『は?いきなり何だよ。気持ち悪いな』
笑いながら蓮は言った。
その言葉を聞いた僕もつい笑ってしまう。
勝手かもしれないけれど、
僕はずっと蓮と友達でいたいと思っているよ。
だから頼ってもいいかな?
たまに僕を頼ってもいいからさ。
「もしもし、春さん?」
『流星か?あのあと話せたか?』
「うん、話せたよ。あのね、春さん」
『ん?』
「母さんとずっと一緒にいてくれてありがとう」