抱きしめて 【短篇】
隆は即死だったという。

何度も、何度も、私は迎えを頼んだことを悔やんだ。

私が迎えを頼んでいなかったら、隆はあんなことにならなかったのに。

毎日、毎日、泣き続けている私に、空は優しかった。

空の真っ直ぐに私を見つめる目に、隆の姿を思い浮かべていた。
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