俺様王子の秘密

二人きりの特別授業


「緩奈……大丈夫?」

「ダメ」

昼休み――朝からずっとテンションがた落ちなあたしです……。

だって、夏休みなしだよ? 信じられます!?

「あたしはもう終わったーーー!!」

「うっせー」

突っ伏してたら、いきなりノートかなにかで頭を叩かれた。
振り返ると、やっぱりコイツ。

「悠斗!! なにすんの!?」

「さっきっからうっさい。テストでギャーギャー騒ぐな」

またパコンと、頭を叩かれた。これ以上バカになったらどうすんのよっ!!

「いいですよねー、学年1位は。勉強しなくても、夏休みなんてなくなんないですもんね!!」

ベェーと舌を出して、嫌味ったらしく言ってみた。

「ガキ」

また悠斗は、パコンと頭を叩く。
くっそー!

「そうだ!!」

隣であたしたちのやり取りを見ていた美保が、パンと手を叩いた。

「真崎に勉強教えてもらえば?」

「「は?」」

綺麗にハモったあたしたち。
……なに言ってんの? この子は。
あたしが悠斗に勉強を? 無理ムリ。
今回は悠斗に賛成だわ。

「だって、真崎学年1位でしょ? 真崎に教えてもらえば、いくら緩奈でも50点は行くでしょ」

「いや、そうかもしんないけど……」

「じゃあいいじゃん!! いいでしょ? 真崎」

そう言って悠斗の方を向いた美保。
そんな美保を見て、考えてる悠斗。
お願いだから、ヤダって言って!!


< 54 / 83 >

この作品をシェア

pagetop