俺様王子の秘密

放課後――

「分かんない〜〜……」

あたしは、数学のプリントとかれこれ30分、にらめっこ状態……。

「お前、バカ過ぎ……」

机に座ってパソコンをいじってる悠斗。
ムカつくな、コイツ……。

「分かんないものは分かんない!! って言うか、パソコンばっかやってないで教えてよ」

「そんなの、中坊でも出来るから」

「ウソ!?」

「本当」

ウソだろ……。あたしは、中学生が出来る問題も出来なくなったの……?

「ヤダーーーー!!」

また思ったことを声に出してしまい……

「うるさい」

悠斗にデコピンされた。

別にそこまでする必要ないじゃん。

「ったく。どこ?」

パソコンを閉じ、あたしの前に座った悠斗。
シャーペンまで持って、教える気満々ですね。

「えっと。ここ」

あたしがさっきから唸ってる元を指さすと、悠斗は顔をしかめた。だって……

「お前、1問目から分かんねぇの?」

「だって……」

「ったく。ここは、これをXに代入すんだよ」

なんだかんだ言って、丁寧に説明してくれた。
しかも、メッチャわかりやすいし。

「分かった?」

「出来た!!」

なんと!! 解けちゃいましたよ、問題がっ!!

悠斗がサラっと説明してくれただけで、スラスラとペンが進む。
あたし、イケるんじゃない!?

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