俺様王子の秘密

夏祭りの涙

【緩奈side】

水族館デートから早2週間……。
明日から、夏休みですっ!!

そんな訳で、今日もテンションMAX!!
早く来い、夏休み!!

そんなあたしの耳に、聞こえてきましたよ? 悪魔の囁き!!

「うっせー奴」

そうです!! 悪魔の正体は、なにを隠そう悠斗です!
机に頬杖ついて、呆れながらあたしを見てる。
つーか、コイツ、なんでこんなクールでいられんの?

「なに!? アンタは夏休み、嬉しくないのっ?」

「別に。やることねぇし。お前、なんかあんの?」

「べ、別にないし! どーせ彼氏もいないからお祭りだって美保と二人きりですよ!!」

最後に、べーと舌を出すあたし。
我ながら、ガキだ。

「別にそんなこと聞いてねぇじゃん」

「うっ――」

『うるさい』と言おうとした刹那、生徒会室のドアがガチャッと開いた。
そして、入って来たのは……

「緩奈〜、いるぅ?」

「美保!?」

……美保です。
しかも、後ろには宏平クンもいる。
この二人、どこで知り合ったの?

っていうか……

「美保、今自然に入って来たよね!?」

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