春 ~風が吹いたら~
そう言うと、潤悟は倒れた。
そのまま病院へと運ばれ、心配していた和羽のお母さんは、潤悟が無事だと知ると、そっと胸をなで下ろした。
∥∥ 4月。∥∥∥∥∥
潤悟はスーツを着て、入学式に出席していた。
『敦也、和羽。入学おめでとう!』
潤悟の心の傷は、もうすっかり癒えているようにみえた。
∥∥ 7月。∥∥∥∥∥
でも、潤悟の心は閉ざされたままだった。
潤悟の心は自ら、友達を作ることをやめてしまっていたのだ。