春 ~風が吹いたら~
用具入れから、乾いた雑巾を何枚か持ってきて床を拭いていた。
拭いても拭いても、自分から滴る水もあり、なかなか拭ききれない…。
そこに、
『か、華恋?!これ、どうした?』
慌てた様子で潤悟が駆け寄った。
『何でもないよ。』
『何でもないことないだろ?誰にやられたんだよ?』
来るタイミング良すぎだよ…。
こんな姿、見られたくなかったのにな。
『あまりにも、暑くて!ちょっと…水浴び的な?』