春 ~風が吹いたら~
『もちろん!』
潤悟の笑顔が、眩しかった。
-- タワー。-----
『何で、タワーに?』
『タワー嫌い?あ!高いところ苦手とか?』
『嫌いじゃないもん!……高いのは、苦手だけど、こういうところは大丈夫なの。』
『なら、良かった!』
潤悟は自然に手を繋いだ。
天気もよくて、眺めもよくて、タワーなんていつ来たかも、来たことがあるのかさえ曖昧だったけれど、あたしはこういうところは…とても好きだった。