春 ~風が吹いたら~
『あたし、そんなにヒドいこと言いそうに見える?嫌でも、そんなこと言わないよ!』
あたしが笑うと、
『嫌…なのか?』
焦った表情の潤悟。
『ううん!ありがとう…大切にする。』
あたしは、何も用意してないのにな。
『潤悟は、何か欲しいものある?』
『欲しいものっていうか…望みならある!』
『望みって、何?』
『華恋には、ずっと…笑っててほしい。』
潤悟は、そんなことでいいなんて……。