春 ~風が吹いたら~
有沙ちゃんとやり直すときいて、あたしは少しだけホッとした。
潤悟が迎えに来る場所にあたしたちが着くと、ちょうど潤悟も着いたところだった。
『おう。どうした、田崎。とにかく、乗れよ。』
あたしは助手席に、仁は後ろに乗り込んだ。
『仁が、有沙ちゃんとやり直すことになったみたいなんだぁ!』
『そうか!ったく、仲良くしろよ!』
『わりぃ。あ!遅くなるとマズいから、菊原を先に送ってやってくれ。』