春 ~風が吹いたら~
あたしは全ての品物を出し、レジへと戻った。
『菊原さん、遅かったじゃない。レジ混んじゃって、大変だったのよ!急いで入って。』
『はい。わかりました。』
理不尽だよ…。
そんな風に思っても、この世の中は、当たり前のように理不尽なことばかりなんだ。
レジの近くの品を出していた潤悟と、目が合った。
『いらっしゃいませ。』
あたしは、潤悟から目をそらして、仕事を続けた。
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