春 ~風が吹いたら~
潤悟は、それが華恋であると、すぐにわかった。
『華恋!!華恋!!…おい!華恋!!』
潤悟は叫んだ。
華恋は気付かずに、パトカーへと乗せられていった。
『君……菊原さんを知ってるのか…?』
『えぇ、あなたは…?』
『医者だ、あの子の主治医。これから自分の車で、警察署に向かう。君……名前は?』
『西野 潤悟です。』
『西野 潤…悟?……来るか?』
先生は、前に華恋から聞いた名前を覚えていた。