春 ~風が吹いたら~
『お前がだよ!!1人で来いよ。』
『上等だよ。』
この頃のあたしは、いつでも全力で真っ直ぐだった。
怖いもんもなくて、失うもんもなくて。
放課後。
『華恋。行かなくていいよ…!他の中学からも来るみたいだよ…やめなって。』
『大丈夫。それに、約束は約束だから!』
『おい!菊原!ちょっと来い!』
仁だ。
あたしの腕をひき、校舎裏に連れてきた。
『何?!』
『行くなって。』
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