春 ~風が吹いたら~
『卒業式が終わったらさ、受け取った卒業証書持って、また3人でここに来ようぜ!』
そう言って、敦也は笑った。
ここは、和羽のお父さんが所有している別荘。
和羽・潤悟・敦也が友達になった頃から、ここは、3人の旅行先のような扱いになっていた。
『うん!』
『あぁ!』
初めてこの別荘に来た時には、潤悟と和羽もまだ付き合ってはいなかった。
多少遠いが、それでも3人のお気に入りの場所だった。