明日が欲しい




ところが,今回はどう言う訳か我が校の野球部が決勝戦まで勝ち進んでいた。


僕等は昼からの決勝の為,その日は朝9時から学校で音合わせやなにやらで忙しく,夏休みだと言うのに香織と会う事もままならなかった。


11時になって,それぞれ自分達の楽器を持って球場に向かった。


最初エールの交換から始まって,校歌を演奏しサイレンと共にプレイボールがかかった。


同点になってからお互い点が入らず,膠着状態が続き結局延長になった。


我々吹奏楽部も,選手同様疲れてきて,暑さと声援で喉が乾き演奏どころの状態ではなくなってきた。


応援にも力が入らないのである。



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