天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(後編)
「終わったか…」

大気の変化を感じ、ジャスティンは空を見上げた。

「しかし、これで終わったのでしょうか?」

ジャスティンのそばに、ドレイク・スチュワートがいた。

「天使は、人間が人間を殺した時、召喚されます。確かに一定の量が、あるようですが…」

2人がいるのは、イギリスの北西部…マーティン・ガレイの故郷であった。

「マーティン…彼は、ブルーアイズ至上主義者でした。彼には、天使こそがブルーアイズの象徴に思えたのでしょう。魂を集め、天使を召喚させ、ブルーアイズ以外の人間を滅ぼそうとした」

「…」

ジャスティンは、目を瞑った。

「しかし…天使は、すべての人間を滅ぼすもの。彼は、その思想を利用されたのでしょう。ディーン北西司令官に」

「だが…」

ジャスティンは、防衛軍の制服の胸ポケットから、カードを取り出し、

「今回の件で、警告を我々に最初に教えてくれたのは、弟のレーン大佐だった」

そこに送られてきたメッセージを見た。





「レーン…」

僕の拳を顔面に受けて、アテネはふっ飛んだ。

天から落ちてくる雨を感じながら、アテネは背中から倒れていく。

「かわいそうだが…君を助ける訳にはいかない」

人間の姿をしているが、彼女は人間ではない。

「だから、最後は…僕が思う最高の技で終わらせる」

どこからか回転する2つの物体が飛んできて、僕はそれを掴んだ。

そして、2つを合体させ、槍へと変えた。

僕は槍を脇に挟むと、腰を落とした。

「いくぞ!A Blow Of Goddess!」

「フン」

アルテミアは空中で、腕を組み、鼻を鳴らした。

「馬鹿赤星が」

「うおおおっ!」

僕は、槍で下から地面を抉り、アテネの体を空中に投げた。

そして、すべての魔力を込めると、槍をもう一度振るった。

雷鳴と風、炎が混ざり、アテネの体を包んだ。

巨大な光の柱ができ、地上から宇宙までを貫いた。

その様子は、地球の裏側でなければ、どこからでも見えたらしい。

光の柱が消えた瞬間、人々は改めて、戦いの終幕を知った。

そして、いつのまにか…雨も止んでいた。

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