天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(後編)
「?」

ジャスティスの声は、天使に聞こえることはなかった。

一瞬で、燃え尽きたからだ。

「あ、あり得ない!」

「うおおおっ!」

僕は天使を切り裂くと同時に、翼を広げると、上空に向かって飛び上がった。

「神の使いである天使が!」

ジャスティスは逃げようとしたが、間に合わなかった。

だから、仕方なく…片腕を犠牲にした。

咄嗟の判断で、腕を伸ばし、それが斬られる寸前にテレポートしたのだ。


「うわああああっ!」

僕は、ジャスティスを逃がしたことよりも、救えなかった人々のことを思い、叫んでいた。


(僕は!)

怒りから発生する魔力は、海を荒れさせ、空母の沈むスピードが速くなった。

(救えないなら、破壊する!貴様ら天使を!)

涙は、いつのまにか枯れていた。

その代わり、怒りだけは、治まることはなかった。





「赤星…」

その波動を、遠くの空で感じたアルテミアは、空中で止まると、心配そうに遥か彼方を見つめた。

ぎゅっと胸を押さえながら。
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