あなたと学ぶ本当の恋愛

正直、まだ高校は好きじゃない。
知らない子がいっぱい群れを作っているのが、どうも受け付けない。

「藍沢さん、おはよう」
「おはよう」

表面上の友達だらけで、何か心に穴が空いているみたいだ。
藍沢さん、だなんて、距離を置こうとしているようにしか思えない。

「麗ちゃんおはよー!」
「麻奈ちゃん、おはよう」

麻奈ちゃんは、誰にでも愛想の良い、典型的な"イイコ"。
考えの歪んだヤツは、イイコブリッ子しとる、とか言うけど、多分天然にイイコなんだと思う。

「麗、睨むなって」
「…舞花、え、睨んでないし」
「睨んどったで、岸田の方」

一番仲の良い、舞花。
しっかりした性格で、思った事をすぐ顔に出す、といつも舞花には叱られている。


「あ、メール」

本来携帯持ち込み禁止のこの高校だが、正味、持ってきていない人の方が珍しい。

「何よ、彼氏さんけ?」
「うん」

4時に駅前のコンビニで。
ちゃんと学校行くから怒るな

怒ってないよ、とだけメールをして、一時間目の授業を受ける。


桜が綺麗だと有名なだけあって、本当に綺麗。
カーテンにも桜の影が映って、風が吹く度に桜の花びらが舞う。
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