引っ込み思案な恋心。-2nd





拓に聞かれて、私はもう一度携帯の画面を確認した。






「えっと…、あゆは夏休み後半はほとんど部活…、ななっぺは20日ぐらいからならいつでも大丈夫…かあ」



「なかなかみんなの予定は合わねえもんだな。俺は基本土曜日ならいつでもって感じだけど」



「そっか。じゃあ、土曜日中心で考えようかな」



「え?それじゃー俺はメンバー決定???」



「うん。だって、期末テストの前にうちの教室で勉強会やったんだけど、終わった後みんなリラックスできなかったよねとか言ってたし…」



「あー…、あの時はマジで悪かった。今更言うなって感じだけど、もう少し早く柚と仲直りしとけばなあ」



「しょうがないよ。でもやっぱり拓の家がいいって結論になったから、あれはあれで無駄じゃないよ、たぶん」



「そーだな。じゃあ日程が決まったら教えてくれよ。ジュースとかお菓子買い込んどくから」



「分かった、ありがとう」






携帯を閉じてバッグの中に戻すと、拓が私の手を掴んで歩き出した。





引っ張られた私も拓の動きに合わせて歩き出す。








こうしてまた拓と話しながらゆっくり歩いたけど、それでもあっという間に家の前に着いてしまうのはどうしてなんだろう…?





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