引っ込み思案な恋心。-2nd





「でも倉本くん、私のこと諦めてないんじゃ…?」



「確かに俺の片想いだな。でも友達って関係は杉田だって認めるだろ?」



「うっ……」






倉本くんとは、ただのクラスメイトよりはしゃべってる方だと思う。





2年になってからは個人的に話すことも少し増えたような気がするし。






でも……、連絡先交換しちゃったら、絶対倉本くん、携帯で私にアプローチしてきそうだよ。。。






すると倉本くんは、自分の携帯を閉じてふうと大きく息を吐いた。






「分かった。じゃあ今から拓にメール打つから。『杉田と連絡先交換した』って。これでアイツともフェアだろ」



「それ…絶対拓怒ってくるよ」



「別に俺ら友達なんだし?拓もこんなコトぐらいで怒んねえと思うけど」



「でも……」






きっと、これ以上私がどうこう言っても、倉本くんには届きそうにない。







倉本くんはまた自分の携帯の画面を開き、手早くボタンを打ち始めた。






あっという間に拓にメールを送ってしまったようで……






「これで終わりっと。アイツがどういう反応するか楽しみだな♪」



「やっぱりワザと拓に送ったの?人の反応見て楽しまないでよ…」



「まっ、何か用事できたら俺に連絡して?でもどっちかってゆーと、俺の方がムダにメールするかもしれないけど」



「しなくていいよ……」






ああ…、また厄介なことになっちゃったよ。。。








拓の不安が少しだけ当たってしまった。






私は倉本くんの隣で授業を受けながら、心の中で拓にずっと謝り続けていた。













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