引っ込み思案な恋心。-2nd
12☆想いをあたためて

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10月の半ばに、本当に松沢さんが県外の学校に引っ越していった。





それを聞いたうちのクラスの男子が、『細井に彼氏ができた次は、松沢が転校かよ…』なんてぼやいていたっけ。






男子の間では意外と「隠れ松沢ファン」も多かったらしくて、彼女がいなくなってから、そんなモテる人と戦ってたんだ……って驚いたりした。







そんな間にも秋は急速に深まり、あんなに落ち葉拾いで苦戦した校庭掃除もかなり楽になって、そのうち冬が訪れたことを知った。






外は青空が広がってるけど、夏とはまた違う青色がそこに広がっている気がする。





北風は相変わらず寒いけど、空気がきれいで澄んでいるのが分かる。






そして今私は、そんな外の寒さとは対照的に、暖房全開にしている拓の家に来ていた。






「休みならホントに休みにしてくれてもいいのにな〜。何で年末年始まで宿題に追われなきゃなんねーんだよ…」



「アンタみたいに勉強サボる人達がたくさんいるからでしょ、瀬川」






…そう、恒例の勉強会が拓の家で行われていた。






2学期ももちろん中間テスト前、期末テスト前に拓の家で勉強会を開いてきて、今日は年末。





冬休みの宿題を効率よく片付けるためにみんながまた集合した。







あゆの言葉に軽くため息をついた拓は、冬休みの宿題のプリントを渋々開き始めた。






「仕方ねえ、とっとと片付けるかぁ」



「あっ、ちょっと待って!私から報告していー?」



「何だよ、馬場?手短にしろよ。せっかくやろーと思ったのに…」






拓が諦めて腹をくくったところで何故か手を挙げたのは、あかねちゃん。





拓…、更にちょっと機嫌が悪くなったような。。。





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